CEFR B2(中上級)の英語例文と練習問題集
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のB2レベルは、しばしば「中上級」と呼ばれる段階です。欧州評議会の一般的な記述では、B2の学習者は自分の専門分野の技術的な内容を含む複雑な文章の要点を理解でき、母語話者とも大きな負担なくやり取りができ、幅広い話題について明確で詳細な意見を述べられるとされています。
この記事では、B2レベルで扱われることが多い文法項目と語彙の傾向を整理したうえで、実際に使える例文と練習問題を紹介します。なお特定の試験(英検やTOEICなど)のスコアとの対応関係は試験ごとに算出方法が異なるため、ここでは断定しません。目安を知りたい場合は各試験の公式サイトで最新情報を確認してください。
CEFR B2レベルとは
CEFRのB2は、A1・A2・B1に続く段階で、C1・C2の手前に位置します。一般的な記述では次のような力が想定されています。
- 抽象的な話題も含む複雑な文章の主旨を理解できる
- 母語話者とのやり取りが双方に緊張を強いることなく、かなり流暢にできる
- 時事問題について、複数の選択肢の長所と短所を示しながら自分の立場を説明できる
- 幅広いテーマについて、明確で詳細な文章を書ける
この段階では、単純な情報のやり取りから一歩進み、意見や理由を筋道立てて説明する力が重視されます。文法的にも、単文の正確さだけでなく、複数の節を組み合わせて論理関係を表す構文への理解が求められます。
B2レベルで学ぶ文法と語彙
B2でよく扱われる文法項目には、以下のようなものがあります。
- 仮定法過去・仮定法過去完了(現実とは異なる仮定を表す)
- 分詞構文(理由や時、付帯状況を簡潔に表す)
- 関係詞の非制限用法(補足情報を追加する)
- 受動態の応用(完了形や進行形と組み合わせた受動態)
- 話法における時制の一致と間接疑問文
- 譲歩・対比を表す接続表現(although, despite, whereas など)
- 未来完了・未来進行形
- 使役動詞(have, get, make, let の使い分け)
- 基本的な倒置構文(否定語句が文頭に来る場合など)
- 強調構文(It is … that …)
語彙面では、具体的な物事の描写にとどまらず、抽象的な概念や社会的なテーマを扱う単語が増えます。また、意見を展開したり論点を対比させたりするための談話標識(furthermore, nevertheless, on the other hand, in contrast など)も重要な学習対象です。ビジネス、環境、教育、テクノロジーといった時事的なテーマに関する語彙も、この段階で扱う範囲に含まれます。
例文15選
それぞれの例文には、上記の文法項目のどれに関連するかを添えています。
-
If I had known about the meeting earlier, I would have prepared a presentation.
(会議のことをもっと早く知っていたら、プレゼンを準備していたのに。)※仮定法過去完了 -
Having finished the report, she left the office early.
(報告書を書き終えたので、彼女は早く退社した。)※分詞構文 -
The company, which was founded in 1998, now operates in over twenty countries.
(その会社は1998年に設立されたが、今では20カ国以上で事業を展開している。)※関係詞の非制限用法 -
The bridge has been under construction for over a year.
(その橋は1年以上にわたって工事が続いている。)※受動態の応用(完了形) -
She asked me where I had been the night before.
(彼女は私に前の晩どこにいたのか尋ねた。)※間接疑問文・時制の一致 -
Although the plan sounded risky, the board decided to approve it.
(その計画はリスクが高く聞こえたが、取締役会はそれを承認することにした。)※譲歩の接続表現 -
Despite the heavy rain, the outdoor event went ahead as scheduled.
(激しい雨にもかかわらず、その屋外イベントは予定通り行われた。)※despite -
By next April, we will have completed the entire renovation project.
(来年の4月までには、改修工事全体が完了しているだろう。)※未来完了 -
This time next week, I will be traveling across Europe.
(来週の今頃、私はヨーロッパを旅しているだろう。)※未来進行形 -
I need to have my car serviced before the trip.
(旅行の前に車を点検してもらう必要がある。)※使役動詞 have -
Never have I seen such a chaotic negotiation.
(あんなに混乱した交渉を見たことがない。)※倒置構文 -
It was the manager who finally resolved the dispute.
(その争いを最終的に解決したのは、実はマネージャーだった。)※強調構文 -
Whereas some employees prefer working remotely, others value face-to-face communication.
(在宅勤務を好む従業員がいる一方で、対面でのコミュニケーションを重視する人もいる。)※whereas -
The proposal was rejected on the grounds that it lacked sufficient evidence.
(その提案は十分な根拠を欠くという理由で却下された。)※理由を表す表現 -
Nevertheless, the team continued to pursue the original strategy.
(それにもかかわらず、チームは当初の戦略を追求し続けた。)※逆接の談話標識
練習問題10問
以下の問題に取り組んでみましょう。解答と解説は次のセクションにまとめています。
問1 空欄に適切な形を入れなさい。
If she ( ) harder, she would have passed the exam.
問2 分詞構文を使って一文にまとめなさい。
Because he was exhausted after the flight, he went straight to bed.
問3 空欄に入る関係詞を選びなさい。
My colleague, ( ) office is next to mine, is on vacation this week.
(a) that (b) whose (c) which
問4 受動態に書き換えなさい。
They have been renovating the building since March.
問5 間接話法に書き換えなさい。
He said, “I will finish the project by Friday.”
問6 適切な接続表現を選びなさい。
( ) the difficult circumstances, the team managed to meet the deadline.
(a) Although (b) Despite (c) Whereas
問7 未来完了か未来進行形のどちらか適切な形にしなさい。
By the time you arrive, I ( / finish) cooking dinner.
問8 使役動詞を使って書き換えなさい。
A technician repaired my computer yesterday.
→ I ( ) my computer ( ) yesterday.
問9 倒置構文に書き換えなさい。
I have rarely seen such dedication.
問10 強調構文を使って書き換えなさい。
Tom broke the window, not his brother.
解答と解説
問1 解答:had studied
仮定法過去完了は「if + 主語 + had + 過去分詞」の形をとり、過去の事実に反する仮定を表します。ここでは「もっと熱心に勉強していたら」という過去の事実に反する内容なので had studied が入ります。
問2 解答例:Exhausted after the flight, he went straight to bed.
分詞構文では、主節と従属節の主語が同じ場合、接続詞と主語を省略し、動詞を分詞の形にします。being exhausted の being は省略されることが多く、Exhausted で始める形が自然です。
問3 解答:(b) whose
先行詞である my colleague の「office」を示す必要があるため、所有を表す関係代名詞 whose が正解です。whose は人にも物にも使えます。
問4 解答:The building has been being renovated since March.
「継続中の動作の受動態」は have/has been being + 過去分詞という形になります。やや複雑な形ですが、B2ではこの構造も扱われます。日常会話では使用頻度は高くありませんが、読解では出会うことがあります。
問5 解答:He said that he would finish the project by Friday.
話法の転換では、主節の動詞が過去形(said)のとき、従属節の助動詞 will は would に変わります。時制の一致のルールに従っています。
問6 解答:(b) Despite
Despite の後には名詞句が続きます。ここでは the difficult circumstances という名詞句が続いているため、Despite が正解です。Although は後ろに主語と動詞を伴う節が必要になるため、この形では使えません。
問7 解答:will have finished
「By the time you arrive」という未来のある時点までに動作が完了していることを表すため、未来完了形 will have finished が適切です。
問8 解答:I had my computer repaired yesterday.
使役動詞 have を使い、「have + 目的語 + 過去分詞」の形にすることで、「(自分ではなく)誰かにしてもらった」という意味を表します。
問9 解答:Rarely have I seen such dedication.
否定的な意味を持つ副詞(rarely, never, seldom など)を文頭に置くと、後ろの主語と助動詞が倒置されます。ここでは have I という語順になります。
問10 解答:It was Tom who broke the window, not his brother.
強調構文 It is/was … that/who … を使うことで、動作の主体である Tom を強調しています。人を強調する場合は who を使うこともできます。
これらの文法項目は、日常会話だけでなくニュース記事やビジネス文書にも頻出します。一度にすべてを覚えようとせず、例文を繰り返し音読したり、自分の状況に置き換えて文を作ったりしながら、少しずつ定着させていくとよいでしょう。