CEFR B1からB2へ上げる例文と練習問題
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages、欧州言語共通参照枠)は、外国語の運用能力を段階的に示す国際的な指標です。B1からB2への移行は、英語学習の中でも「自分の言いたいことを一通り伝えられる段階」から「複雑な話題について筋道立てて説明できる段階」への大きな飛躍にあたります。この記事では、B1とB2の違いを整理したうえで、その橋渡しに必要な文法・語彙を解説し、例文と練習問題を通して実践的に確認していきます。
なお、CEFRのレベル定義は欧州評議会が示す一般的な記述に基づいており、TOEICやTOEFLなど特定の試験スコアとの厳密な対応関係は公的に定められていません。目安を知りたい場合は、各試験団体や学習機関が公表している対照表を参考にし、公式サイトで最新情報を確認してください。
B1とB2の違いを理解する
CEFRではB1を「自立した言語使用者」の下位レベル、B2を同じく「自立した言語使用者」の上位レベルと位置づけています。一般的な記述の要点は次の通りです。
B1レベルの学習者は、仕事や学校、余暇などでよく出会う話題について、標準的な話し方であれば要点を理解できます。旅行中に起こりうる大抵の場面に対応でき、身近な話題や個人的な関心事について簡単な文章をつなげて話すことができます。経験や出来事、夢や希望を語り、意見や計画について簡潔に理由を述べることもできます。
B2レベルになると、具体的な話題だけでなく抽象的な話題を含む複雑な文章の要点を理解できるようになります。自分の専門分野であれば、やや技術的な議論もある程度追えます。母語話者とのやりとりも、双方に大きな負担をかけずに、ある程度流暢に自然にできる段階です。幅広い話題について明確で詳細な文章を作成し、時事的な問題について自分の視点を説明し、様々な選択肢の利点と欠点を示すこともできます。
つまりB1からB2への移行では、単文を並べる段階から、複数の節を組み合わせて論理関係(原因・結果、対比、譲歩など)を表現できる段階への転換が求められます。
B1からB2で押さえるべき文法・語彙
B2レベルへ進むために重点的に取り組みたい文法項目を整理します。
- 関係代名詞の応用:制限用法だけでなく非制限用法(コンマを伴う補足説明)も使えるようにする
- 受動態のバリエーション:現在完了形や助動詞を含む受動態(has been done, must be done など)
- 話法(間接話法):発言や質問を時制を変えて伝える技術
- 仮定法:仮定法過去(現在の事実に反する仮定)と仮定法過去完了(過去の事実に反する仮定)
- 推量を表す助動詞:must have, might have, could have などで過去の出来事を推測する
- 完了進行形:have been doing で「ある時点まで続いていた動作」を表す
- 譲歩・対比を示す接続表現:although, even though, despite, in spite of, whereas
- 原因・結果を示す表現:due to, owing to, as a result, therefore
- 使役表現:have something done(物事をしてもらう)
- 動名詞と不定詞の使い分け:意味が変わる動詞(remember to do / remember doing など)
語彙面では、日常会話に加えて、社会問題や環境、仕事、健康といったやや抽象的なテーマについて意見を述べる語彙(advantage, disadvantage, in terms of, on the other hand など)が必要になります。
例文15選
それぞれの文法項目を実際の文で確認しましょう。
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The book, which was written over ten years ago, is still widely read today.
(その本は10年以上前に書かれたものですが、今でも広く読まれています。) -
My sister, who lives in Canada, is coming to visit us next month.
(カナダに住んでいる私の姉が、来月私たちを訪ねてきます。) -
The new bridge has been completed ahead of schedule.
(新しい橋は予定より早く完成しました。) -
The report must be submitted by Friday afternoon.
(その報告書は金曜日の午後までに提出されなければなりません。) -
She told me that she would call me back later.
(彼女は後で折り返し電話すると言いました。) -
He asked me where I had studied English.
(彼は私にどこで英語を勉強したのか尋ねました。) -
If I had more free time, I would learn another language.
(もっと自由な時間があれば、別の言語を学ぶのですが。) -
If she had known about the meeting, she would have attended it.
(彼女がその会議のことを知っていたら、出席していたでしょう。) -
He must have missed the train, because he isn’t here yet.
(彼はまだここにいないので、電車に乗り遅れたに違いありません。) -
She might have forgotten about our appointment.
(彼女は私たちの約束を忘れてしまったのかもしれません。) -
I have been waiting for this opportunity for a long time.
(私はこの機会を長い間待ち続けています。) -
Although the weather was terrible, we decided to go hiking.
(天気はひどかったのですが、私たちはハイキングに行くことにしました。) -
Despite his lack of experience, he managed to finish the project successfully.
(経験不足にもかかわらず、彼はプロジェクトを無事に終わらせました。) -
Due to heavy traffic, the meeting was delayed by an hour.
(交通渋滞のため、会議は1時間遅れました。) -
I need to have my computer repaired before the weekend.
(週末までにパソコンを修理してもらう必要があります。)
練習問題10問
以下の問題に取り組み、B1からB2レベルの文法定着度を確認してください。
問1 次の文を非制限用法の関係代名詞を使って1文にしなさい。
The museum is famous for its ancient artifacts. It was built in 1890.
問2 次の文を受動態に書き換えなさい。
They will finish the construction by next year.
問3 空所に適切な助動詞を入れなさい。
He ( ) have left already, because his car isn’t in the parking lot.
問4 次の直接話法を間接話法に書き換えなさい。
She said, “I will visit you tomorrow.”
問5 次の文を仮定法過去完了で書き換えなさい。
I didn’t study hard, so I failed the exam.
→ If I ( ), I ( ) the exam.
問6 空所に適切な語を入れなさい(although / despite のどちらか)。
( ) the rain, the match continued as scheduled.
問7 次の文を完了進行形にしなさい。
I study English for three hours. (現在まで継続していることを表す文に)
問8 空所に due to か because のどちらか適切な方を入れなさい。
The flight was cancelled ( ) bad weather.
問9 使役表現 have something done を使って書き換えなさい。
A mechanic repaired my car yesterday.
→ I ( ) my car ( ) yesterday.
問10 次の動詞の後に続く形として正しいものを選びなさい。
I remember (to lock / locking) the door before I left, so don’t worry.
解答と解説
問1 The museum, which was built in 1890, is famous for its ancient artifacts.
(その博物館は1890年に建てられたもので、古代の工芸品で有名です。)
非制限用法はコンマで補足情報を挟みます。文全体の意味を大きく変えずに情報を追加できます。
問2 The construction will be finished by next year (by them).
未来の受動態は will be + 過去分詞の形を使います。動作主を示す必要がなければ by them は省略可能です。
問3 must
根拠(車が駐車場にない)に基づく強い推量なので must have left が適切です。過去の出来事に対する確信の高い推測を表します。
問4 She said that she would visit me the next day.
間接話法では時制を一つ過去にずらし(will→would)、tomorrowのような時を表す語も the next day に変える必要があります。
問5 If I had studied harder, I would have passed the exam.
仮定法過去完了は「過去の事実に反する仮定」を表し、If + had + 過去分詞、would have + 過去分詞という形を取ります。
問6 Despite
Despite の後には名詞や動名詞が続きます。althoughの後には主語と動詞を含む節が必要なので、the rainという名詞句にはDespiteが適切です。
問7 I have been studying English for three hours.
現在完了進行形は have/has been + 動詞ing の形で、過去のある時点から現在まで続く動作を強調します。
問8 due to
due toの後には名詞句(bad weather)が続きます。becauseの後には主語と動詞を含む節が必要になるため、この文脈ではdue toが自然です。
問9 I had my car repaired yesterday.
使役表現 have + 目的語 + 過去分詞で「〜してもらう」という意味になります。修理したのは自分ではなく整備士である点がポイントです。
問10 locking
remember doingは「過去にしたことを覚えている」という意味です。remember to doは「これからすべきことを覚えている」という意味になるため、鍵をかけたという過去の行為を思い出している今回の文脈ではlockingが正解です。
学習の進め方
B1からB2への移行では、単に新しい文法項目を覚えるだけでなく、複数の文法を組み合わせて一つの長い文を作る練習が効果的です。例えば、仮定法と譲歩の接続詞を同じ文の中で使ってみる、間接話法と推量の助動詞を組み合わせて過去の出来事を説明してみるなど、意識的に複雑な文構造に挑戦することで、B2レベルで求められる「複雑な話題を筋道立てて説明する力」が身についていきます。焦らず一つずつの項目を確実に使えるようにし、その後で組み合わせる練習に進むとよいでしょう。