職場の短い打ち合わせで学ぶリスニング練習台本
職場での短い打ち合わせは、決まり文句が多く使われる一方で、話すスピードが速く、単語同士がつながって聞こえる場面でもあります。ここでは1分程度で読み上げられる会話スクリプトを3本用意しました。それぞれに日本語訳、聞き取りにくい音のつながり(リエゾン)の解説、内容理解の設問3問を付けています。
この記事の使い方
まずは日本語訳を見ずに音声化(自分で読み上げるか、読み上げツールで再生)して、全体の内容がどれくらい聞き取れるか確認してください。そのあとリエゾンの解説を読みながらもう一度読み上げ、最後に内容理解の設問に答える、という流れがおすすめです。話者はA、Bと明示しているので、片方の役になりきってシャドーイングする練習にも使えます。
スクリプト1:進捗確認のミーティング
A: Hi, do you have a sec to talk about the project?
(ちょっと、プロジェクトについて話す時間ある?)
B: Sure, what’s going on?
(いいよ、どうしたの?)
A: I wanted to know if we’re going to make Friday’s deadline.
(金曜の締め切りに間に合うか知りたくて。)
B: We’re a bit behind, but I think we can catch up if we cut the extra review step.
(少し遅れてるけど、余分なレビューの工程を省けば追いつけると思う。)
A: Sounds good. Can you get the updated draft to me by tomorrow?
(いいね。明日までに更新版の原稿を送ってもらえる?)
B: Yeah, I’ll send it first thing in the morning.
(うん、朝一番で送るよ。)
A: Perfect, thanks. Let me know if you need any help.
(完璧、ありがとう。手伝いが必要なら教えて。)
B: Will do, thanks for checking in.
(了解、確認してくれてありがとう。)
リエゾン解説
- do you have → 会話では「デュー・ハヴ」のように短く発音されることが多く、「ドゥー」と「ユー」が溶け合って聞こえます。
- going to → 「ゴナ」と発音されるのが一般的です。“we’re going to make” は「ウィアゴナメイク」のように聞こえます。
- get the … to me → “get” の語尾のtが弱くなり、次の”the”とつながって「ゲッザ」のように聞こえることがあります。
- let me know → 「レミノウ」のように短縮されます。“let me”が「レミ」になるのはとてもよくあるパターンです。
内容理解の設問
- Aは何を確認したかったのですか。
- Bは遅れを取り戻すために何を提案していますか。
- Aは何をいつまでに送ってほしいと頼んでいますか。
解答
- 金曜日の締め切りに間に合うかどうか。
- 余分なレビュー(確認)の工程を省くこと。
- 更新版の原稿を、明日(の朝)までに送ってほしいと頼んでいます。
スクリプト2:スケジュール調整の相談
A: Are you free to meet again next week?
(来週もう一度会うのは空いてる?)
B: I think so — let me check my calendar. Yeah, Tuesday afternoon works.
(たぶん大丈夫。カレンダー確認するね。うん、火曜の午後なら空いてる。)
A: Great. Does two o’clock work, or would three be better for you?
(よかった。2時でいい?それとも3時のほうがいい?)
B: Two is fine. I kind of thought I had a call, but that got moved.
(2時で大丈夫。電話があると思ってたけど、それ移動になったから。)
A: Okay, let’s lock in two pm on Tuesday, then.
(じゃあ、火曜の午後2時で決めよう。)
B: Sounds good. Should I send out the invite?
(いいね。招待状送っておこうか?)
A: Yeah, that’d be great. Could you add Sarah too? She wants to join.
(うん、助かる。サラも追加してもらえる?彼女も参加したいって。)
B: Got it. I’ll send it right after this.
(了解。これが終わったらすぐ送るね。)
リエゾン解説
- let me check → 「レミチェック」のように”let me”が短縮されて聞こえます。
- kind of thought → “kind of”は「カインダ」と発音されることが多く、あいまいさを表す口語表現です。
- that’d be → “that would be”の短縮形で、「サッド・ビー」のように詰まって聞こえます。
- could you → 「クッジャ」のように、tとyの音が混ざって聞こえるのが特徴です。
内容理解の設問
- 二人はどの曜日に会うことにしましたか。
- 最終的に何時に決まりましたか。
- Aは招待状に誰を追加するよう頼みましたか。
解答
- 火曜日。
- 午後2時。
- サラ(Sarah)を追加するように頼みました。
スクリプト3:クライアント対応の相談
A: Do we have a minute before we’re gonna hop on the client call? I want to go over a couple of things.
(クライアントとの通話の前に少し時間ある?いくつか確認したくて。)
B: Sure, what’s up?
(もちろん、どうしたの?)
A: The client’s asking for a discount because of the shipping delay. What do you think we should offer them?
(クライアントが配送の遅れを理由に割引を求めてる。何を提案するのがいいと思う?)
B: We could give them a ten percent discount on the next order — that might be enough to smooth things over.
(次回の注文に10%の割引を出すのはどう?それで十分丸く収まるかも。)
A: That could work. Should we throw in free expedited shipping too?
(それでいけそうだね。無料の速達配送も付けようか?)
B: I don’t think we need to go that far, but let’s have it ready in case they push back.
(そこまでする必要はないと思うけど、押し戻されたときのために用意しておこう。)
A: Okay, I’ll bring it up if things get tense. Anything else before we hop on?
(わかった、雰囲気が悪くなったらそれを出すよ。通話前に他に何かある?)
B: No, I think we’re all set. Let’s go.
(いや、もう大丈夫だと思う。行こう。)
リエゾン解説
- gonna hop on → “going to”が”gonna”になり、続く”hop on”ともつながって一気に発音されます。
- want to go over → “want to”は「ワナ」と発音されるのが基本パターンです。
- don’t think → “don’t”の語尾のtがほとんど発音されず、次の”think”に吸収されるように聞こえます。
- need to go → “need to”が「ニーダ」のように短縮されることがあります。
内容理解の設問
- クライアントはなぜ割引を求めていますか。
- Bはどんな割引を提案していますか。
- Bは無料の速達配送をすぐに提示すべきだと考えていますか。
解答
- 配送の遅れが理由です。
- 次回の注文に対する10%の割引です。
- いいえ、すぐには提示せず、クライアントが押し戻してきた場合に備えて用意しておくべきだと考えています。
リエゾンを聞き取るためのコツ
今回の3本のスクリプトに共通していたのは、“want to""going to""kind of""let me""could you”のような、日常会話で頻繁に使われる語句が短縮・連結されて聞こえる点です。これらは書き言葉ではめったに省略されませんが、話し言葉では「ワナ」「ゴナ」「カインダ」「レミ」「クッジャ」のように音が変化します。
聞き取れなかった箇所があれば、スクリプトの該当部分を指で追いながらゆっくり音読し、どの単語とどの単語がつながっているのかを確認してみてください。そのうえでもう一度自然なスピードで音読すると、耳で覚えていた「かたまり」として認識できるようになります。同じスクリプトを何度も声に出して練習することが、短い打ち合わせの英語を聞き取る力につながります。