米英綴りの違い一覧|規則で覚える20の単語対比
英語の綴りは、アメリカ英語とイギリス英語で細かく異なる場合があります。これは間違いではなく、19世紀にアメリカの辞書編纂者ノア・ウェブスターが綴りを簡略化する方針を打ち出したことに由来する地域差です。どちらが正しいというものではなく、どちらの綴りを使うかは読者や勤務先、利用するサービスの地域設定によって決めるとよいでしょう。
ここでは綴りの規則ごとに単語を分類し、まとめて覚えられるように整理しました。
-or と -our の違い
アメリカ英語では語尾の “our” が “or” に簡略化される傾向があります。発音はほぼ同じです。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| color | colour | 色 |
| favor | favour | 好意、お願い |
| honor | honour | 名誉 |
| labor | labour | 労働 |
| neighbor | neighbour | 隣人 |
例文で確認しておきます。
- What’s your favorite color?(アメリカ英語)
- What’s your favourite colour?(イギリス英語)
- あなたの好きな色は何ですか。
意味も発音も同じなので、文章中でどちらの綴りを使うかは統一しておくことが大切です。ビジネスメールなどでは、相手がアメリカとイギリスのどちらの企業かによって綴りを合わせると丁寧な印象になります。
-er と -re の違い
語尾の音が「アー」に近い単語で、アメリカ英語は “er”、イギリス英語は “re” になることがあります。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| center | centre | 中心 |
| meter | metre | メートル |
| theater | theatre | 劇場 |
| liter | litre | リットル |
| fiber | fibre | 繊維 |
例文です。
- The theater is located in the city center.(アメリカ英語)
- The theatre is located in the city centre.(イギリス英語)
- その劇場は市の中心部にあります。
なお meter には「計測器」という意味もあり、こちらはイギリス英語でも meter と綴ります。metre と meter は意味によって使い分けが分かれる点に注意してください。
-ize と -ise の違い
動詞の語尾に関する違いです。アメリカ英語は基本的に “ize” を使います。イギリス英語では “ise” が一般的とされますが、実は “ize” もイギリス英語の正式な綴りとして認められており、オックスフォード辞典などは “ize” を推奨しています。新聞や日常表記では “ise” が多く使われるため、実用上はイギリス英語=ise という認識で問題ありません。
| アメリカ英語 | イギリス英語(一般的) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| organize | organise | 組織する |
| realize | realise | 気づく |
| recognize | recognise | 認識する |
| apologize | apologise | 謝罪する |
例文です。
- I didn’t realize the meeting was canceled.(アメリカ英語)
- I didn’t realise the meeting was cancelled.(イギリス英語)
- 会議が中止になったことに気づきませんでした。
この例文には cancel の綴り違いも含まれています。次の項目で解説します。
子音を重ねるかどうかの違い
動詞に -ing や -ed を付けるとき、語尾の子音を重ねるかどうかがアメリカとイギリスで異なる場合があります。イギリス英語はアクセントの位置に関わらず子音を重ねる傾向があり、アメリカ英語はアクセントがある音節のみ重ねる規則に近い形です。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| traveling | travelling | 旅行している |
| canceled | cancelled | 中止された |
| modeling | modelling | モデルをしている |
| fueled | fuelled | 燃料を補給された |
例文です。
- She is traveling around Europe this summer.(アメリカ英語)
- She is travelling around Europe this summer.(イギリス英語)
- 彼女はこの夏ヨーロッパを旅行しています。
travel は “trav-el” で最後の音節にアクセントがないため、アメリカ英語の規則では子音を重ねません。一方でイギリス英語ではアクセント位置に関係なく重ねる単語が多いため、travelling のように l が二つになります。
-yze と -yse の違い
動詞の語尾が “yze” になるか “yse” になるかの違いです。-ize / -ise と似た関係にありますが、こちらはイギリス英語で -yze を使うことがほぼありません。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| analyze | analyse | 分析する |
| paralyze | paralyse | 麻痺させる |
例文です。
- We need to analyze the data carefully.(アメリカ英語)
- We need to analyse the data carefully.(イギリス英語)
- そのデータを注意深く分析する必要があります。
-og と -ogue の違い
語尾の “og” と “ogue” の違いです。アメリカ英語では簡略化された “og” が使われることが多いですが、“ogue” の綴りも併用されています。イギリス英語では “ogue” が標準です。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| catalog | catalogue | カタログ |
| dialog | dialogue | 対話 |
例文です。
- Please check the catalog for the latest products.(アメリカ英語)
- Please check the catalogue for the latest products.(イギリス英語)
- 最新の商品についてはカタログをご確認ください。
-ense と -ence の違い
一部の名詞で語尾が “ense” と “ence” に分かれます。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| defense | defence | 防御 |
| offense | offence | 違反、攻撃 |
| license(名詞・動詞共通) | licence(名詞)/ license(動詞) | 免許 |
例文です。
- The team has a strong defense this season.(アメリカ英語)
- The team has a strong defence this season.(イギリス英語)
- そのチームは今シーズン守備が強いです。
license については特に注意が必要です。イギリス英語では名詞は licence、動詞は license と綴りを使い分けます。一方アメリカ英語では名詞・動詞ともに license で統一されています。
- I need to renew my driving licence.(イギリス英語・名詞)
- The government will license the new drug.(共通・動詞)
- 運転免許を更新する必要があります/政府はその新薬を認可するでしょう。
そのほかの個別の綴り違い
規則化しにくい個別の単語もいくつか押さえておきましょう。
| アメリカ英語 | イギリス英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| gray | grey | 灰色 |
| jewelry | jewellery | 宝石類 |
| check | cheque | 小切手 |
| pajamas | pyjamas | パジャマ |
| tire | tyre | タイヤ |
| curb | kerb | 縁石 |
例文です。
- She wore a gray dress to the party.(アメリカ英語)
- She wore a grey dress to the party.(イギリス英語)
- 彼女はパーティーに灰色のドレスを着ていきました。
check と cheque は特に紛らわしい組み合わせです。「確認する」という意味の check はアメリカ・イギリスどちらでも check と綴りますが、「小切手」という意味の名詞はイギリス英語で cheque になります。同じ単語でも意味によって綴りが分かれる例として覚えておくと混乱を避けられます。
綴りの違いをどう扱うか
これらの綴りはどちらも正しい英語であり、優劣はありません。実務で気をつけたいのは、一つの文書やメールの中で綴りを統一することです。アメリカ企業向けの文書に colour や travelling を混ぜてしまうと、読み手によっては違和感を持たれることがあります。
学習用の教材やソフトウェアの多くはアメリカ英語を基準にしていますが、イギリスやオーストラリア、インドなど英連邦系の国とやり取りする場合はイギリス式の綴りが標準になります。自分がよく使うツールやサービスの言語設定がどちらに基づいているかを一度確認しておくと、スペルチェック機能に振り回されずに済みます。
最後に、TOEICや英検などの資格試験ではどちらの綴りで解答しても基本的に問題にならないとされていますが、試験ごとの規定は主催団体の公式サイトで最新情報を確認してください。