受動態で日本人がやりがちな英語の間違いと直し方
日本語では「〜される」という受け身の形が使われる場面でも、英語ではそのまま受動態にすると不自然になることがよくあります。逆に、英語では受動態が必要な場面で能動態のまま話してしまうこともあります。ここでは、日本語の発想が原因で起きやすい受動態の間違いを15例ほど取り上げ、なぜ不自然なのか、どう直せばよいのかを順番に見ていきます。
自動詞を無理やり受動態にしてしまう間違い
日本語では「事故が起こされた」とは言いませんが、英語の勉強を始めたばかりの人は「〜される」という日本語の語感につられて、自動詞を受動態にしてしまうことがあります。まず押さえておきたいのは、目的語を取らない動詞(自動詞)は受動態にできないという点です。
誤り
I was happened a strange thing yesterday.
(昨日、私は不思議なことが起こされた)
happenは「起こる」という意味の自動詞で、「〜を起こす」という他動詞ではありません。そのため受動態にはできません。
正しい英文
A strange thing happened to me yesterday.
(昨日、私に不思議なことが起こった)
同じパターンで間違えやすい動詞に occur(起こる)があります。
誤り
The accident was occurred near my house.
(事故が私の家の近くで起こされた)
正しい英文
The accident occurred near my house.
(事故が私の家の近くで起こった)
「夢がかなう」も同様です。come trueは自動詞的なまとまりなので、受動態にする必要はありません。
誤り
My dream was came true.
正しい英文
My dream came true.
(私の夢がかなった)
日本語で「〜される」と訳せるかどうかではなく、その動詞が「何かを〜する」という他動詞なのか、それとも「自分が〜する」という自動詞なのかを意識することが大切です。
「興味がある」「驚いた」で前置詞を取り違える間違い
感情を表す受動態的な形容詞(interested、surprised、marriedなど)は、後ろに続く前置詞が日本語の感覚とずれやすいところです。
誤り
I’m interested about Japanese history.
(私は日本史に興味がある)
interestedの後は about ではなく in を使います。
正しい英文
I’m interested in Japanese history.
誤り
I was surprised for the news.
surprisedの後は by または at を使うのが一般的です。
正しい英文
I was surprised at the news.
(私はそのニュースに驚いた)
結婚を表す married も間違えやすい語です。「〜と結婚している」を表すときに with を使ってしまう人が多いのですが、正しくは to です。
誤り
She has been married with him for ten years.
正しい英文
She has been married to him for ten years.
(彼女は彼と結婚して10年になる)
これらは意味は同じでも前置詞が変わると不自然に聞こえるので、seteされた組み合わせごと覚えてしまうのが確実です。
interestingとinterestedの混同
日本語の「面白い」「興味がある」はどちらも似た感覚で使われますが、英語では「感情を引き起こす側」か「感情を受け取る側」かによって現在分詞と過去分詞を使い分けます。これも受動態の理解に関わる間違いです。
誤り
I’m very interesting in this movie.
(私はこの映画にとても興味深い)
interestingは「人を興味深くさせる」という意味なので、主語が人の場合は不自然です。
正しい英文
I’m very interested in this movie.
(私はこの映画にとても興味がある)
同じ理屈で bored と boring も混同しやすいところです。
誤り
This class is very boring for me, so I’m boring.
正しい英文
This class is very boring for me, so I’m bored.
(この授業はとても退屈で、私は退屈している)
「主語が誰かを退屈させる」ならboring、「主語が退屈させられている」ならboredと覚えると整理しやすくなります。
不定詞に受動態を入れすぎてしまう間違い
「〜されやすい」「〜するのが難しい」という日本語を訳すとき、to不定詞の部分にも受動態を入れてしまう間違いがよく見られます。しかし英語では、主語がすでに「〜される」対象であることが分かっているため、不定詞の部分は能動態のままで十分です。
誤り
This problem is difficult to be solved.
(この問題は解決されるのが難しい)
正しい英文
This problem is difficult to solve.
(この問題は解決するのが難しい)
誤り
This book is easy to be read.
正しい英文
This book is easy to read.
(この本は読みやすい)
主語のThis problemやThis bookは、文の最初にすでに「解決される」「読まれる」対象として置かれています。不定詞の部分でもう一度受動態にすると、同じ意味を二重に表すことになり不自然です。
受動態にしなくてよい場面で使ってしまう間違い
日本語の「〜されている」「〜された」をそのまま直訳すると、英語では回りくどく聞こえることがあります。特に、自分が主語になれる文では能動態の方が自然です。
誤り
This news was heard by me yesterday.
(このニュースは昨日私によって聞かれた)
正しい英文
I heard this news yesterday.
(私は昨日このニュースを聞いた)
誤り
My English is spoken badly.
(私の英語は下手に話されている)
正しい英文
I don’t speak English very well.
(私は英語があまり上手に話せない)
英語では、話し手や動作の主体がはっきりしている場合は能動態を使うのが基本です。受動態は「誰がしたか分からない」「動作を受ける側に焦点を当てたい」という場面で使うものだと考えると、使うべき場面かどうかを判断しやすくなります。
byと一緒に使う前置詞を間違える例
受動態といえばbyという印象が強いためか、本来は別の前置詞を使う表現にもbyを当てはめてしまう間違いがあります。
誤り
The mountain is covered by snow.
(山は雪によって覆われている)
正しい英文
The mountain is covered with snow.
(山は雪で覆われている)
coveredの後は「〜で」という意味の with を使うのが決まった言い方です。同じように、be made ofやbe filled withなども、動作の主体を表すbyとは異なる前置詞を取ります。
誤り
The glass was filled by water.
正しい英文
The glass was filled with water.
(グラスは水で満たされていた)
受動態の後ろにbyが来るかどうかは、動作主を表しているかどうかで判断します。「〜という材料や状態によって」という意味のときは、with や of など別の前置詞が使われることが多いので、フレーズごと覚えておくと安心です。
まとめて確認したいポイント
ここまでの例に共通しているのは、日本語の「〜される」という表現の広さと、英語の受動態が使える範囲にずれがあるという点です。整理すると次のようになります。
- 自動詞は受動態にできない(happen, occur, come trueなど)
- 感情を表す語は前置詞とセットで覚える(interested in, surprised at, married to)
- 主語がすでに受け身の対象なら、不定詞の中は能動態でよい
- 動作の主体がはっきりしているときは能動態の方が自然
- byは動作主、with/ofは材料や状態を表すことが多い
受動態を使うかどうか迷ったときは、まず日本語の「〜される」を一度忘れて、「誰が何をするのか」を英語の語順で考え直してみると、どちらの形が自然かが見えやすくなります。